情報処理 PM 試験 午後 2 論文 設問パターン分析|ア・イ・ウの型と頻出キーワード
情報処理プロジェクトマネージャ試験 午後 2(論述式)の設問は、過去問を並べると設問ア=特徴・課題、設問イ=工夫した活動、設問ウ=評価・改善という不変の型に固定されている。本記事では設問ア/イ/ウそれぞれの問われ方のパターンと頻出キーワード、字数要件(標準型 800/1,600/1,200 字)のバリエーション、令和 5・6 年度の出題実例を分析し、設問を 5 ステップで分解する読解手順を 2026 年最新版で解説する。
※ 本記事はアフィリエイト広告(Amazon アソシエイト等)を含みます
「論文は何が出るか分からないから、設問の読み方も毎回ぶっつけ本番になる」——情報処理プロジェクトマネージャ試験の午後 2 でそう感じている受験者は多いはずです。しかし結論から言えば、午後 2 の 設問の構造(ア・イ・ウで何を問うか)は驚くほど固定されており、過去問を 5 年分も並べれば「型」がはっきり見えてきます。テーマ(題材)は毎年変わっても、設問アで「プロジェクトの特徴と課題」、設問イで「工夫した活動」、設問ウで「評価と改善」を問う骨格は平成期からほぼ不変だからです。
理由は単純で、午後 2 が測ろうとしているのは「PM としての普遍的な思考プロセス=状況把握 → 工夫 → ふりかえり」であり、その流れをア・イ・ウの 3 部構成にマッピングしているにすぎないからです。つまり、設問のどの位置で何を問われるかをパターンとして頭に入れておけば、本番では設問の言葉を「型」に当てはめるだけで構想に入れる のです。本記事では、設問ア/イ/ウそれぞれの問われ方のパターンと頻出キーワード、字数要件のバリエーション、令和 5・6 年度の出題実例を分析します。
論文の書き方そのものは「午後 2 対策|論文の書き方と頻出テーマ」、テーマ別の引き出しは「午後 2 論文 頻出テーマ TOP 10」で解説しています。本記事はその間を埋める、設問そのものの構造を読み解く 内容です。
午後 2 設問の「不変の 3 部構成」
まず大前提として、午後 2 の論文は 設問ア → 設問イ → 設問ウ の 3 つで構成され、それぞれが担う役割は固定されています。テーマが「コスト」でも「品質」でも「システム刷新」でも、この役割分担は変わりません。
| 設問 | 問われる役割 | PM の思考段階 | 字数の目安(標準型) |
|---|---|---|---|
| 設問ア | プロジェクトの特徴・概要と、重要と考えた課題 | 状況把握 | 800 字以内 |
| 設問イ | 課題に対して工夫・実施した活動(中核) | 工夫・実行 | 800 字以上 1,600 字以内 |
| 設問ウ | 活動の評価(有効性)と今後の改善点 | ふりかえり | 600 字以上 1,200 字以内 |
設問アのパターン分析|「特徴」と「課題」の二段構え
設問アは、ほぼ例外なく ①論述対象プロジェクトの特徴・概要 と ②あなたが重要と考えた課題(または認識した事項) の二段構えで問われます。頻出する表現は次のとおりです。
| 頻出キーワード | 問われていること | 書くべき要素 |
|---|---|---|
| 「プロジェクトの特徴」 | 規模・期間・体制・制約などの前提 | 業種、開発規模(人月・期間)、体制、QCD 制約 |
| 「あなたが重要と考えた〜」 | テーマに直結する論点の設定 | テーマに沿った課題を 1〜2 点に絞って提示 |
| 「〜という状況/背景」 | 課題が生じた文脈 | なぜその課題が重要だったかの理由 |
設問アの落とし穴は、プロジェクト概要を丁寧に書きすぎて 800 字を使い切り、肝心の「重要と考えた課題」が薄くなる ことです。概要は設問イ・ウで使う数値(人月・期間・体制)を中心に簡潔にまとめ、課題提示に文字数を残すのがコツです。
設問イのパターン分析|「工夫した活動」を 3 段で語る
設問イは論文の中核で、配点・字数ともに最大です。問われ方は「設問アで述べた課題に対し、あなたが重要と考えて工夫した活動について、具体的に述べよ」という形が定番です。ここでの「工夫」とは、プロジェクトの特徴を踏まえて通常のやり方をアレンジした点 を指します。
合格論文の設問イは、おおむね次の 3 段で構成されています。
| 段階 | 内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| ①特定・分析 | 課題の原因や影響をどう捉えたか | 「なぜそうなるか」を分析的に示す |
| ②工夫した活動 | 特徴を踏まえて取った具体策 | 「通常なら〜だが、今回は〜という特徴があるため〜した」の対比で書く |
| ③活動の根拠 | なぜその活動を選んだか | 副作用・代替案との比較で選択理由を語る |
設問イの最大の落とし穴は、「やったことの羅列」になり、特徴を踏まえた工夫になっていない ことです。施策を 3 つ書くより、1〜2 つを「特徴 → 通常時 → 今回の工夫 → 理由」まで掘り下げる方が高評価につながります。
設問ウのパターン分析|「評価」と「改善点」のセット
設問ウは ①設問イで述べた活動の評価(有効性) と ②今後の改善点 をセットで問うのが定番です。頻出表現は「実施した活動の 評価 を述べよ」「今後の 改善点 を述べよ」「有効性 を含めて述べよ」など。
| 要素 | 問われていること | 書くべき内容 |
|---|---|---|
| 評価(有効性) | 工夫が効いたかどうか | 設問イの活動一つひとつに「良かった点+根拠」を対応づける |
| 今後の改善点 | 自己批判的なふりかえり | 「うまくいったが、さらに〜すればより良かった」という前向きな改善 |
設問ウのコツは、設問イと一対一で対応させる ことです。設問イで挙げた工夫が 2 つなら、設問ウでもその 2 つを評価する——この対応関係が崩れると「設問イと設問ウがちぐはぐ」と判断されます。改善点は失敗の告白ではなく「おおむね成功したが、次はここまでやる」という建設的なトーンでまとめます。
字数要件のパターン|標準型とバリエーション
字数規定は問題ごとに微妙に異なりますが、標準型は設問ア 800 字以内・設問イ 800 字以上 1,600 字以内・設問ウ 600 字以上 1,200 字以内 です。合計すると 2,200〜3,200 字となり、実際には 2,800 字前後 を書く受験者が多数です。
| パターン | 設問ア | 設問イ | 設問ウ | 合計(下限〜上限) |
|---|---|---|---|---|
| 標準型 | 800 字以内 | 800〜1,600 字 | 600〜1,200 字 | 2,200〜3,200 字 |
| イ厚め型 | 800 字以内 | 1,000〜1,600 字 | 600〜1,200 字 | 2,400〜3,200 字 |
| 合格答案の実務目安 | 約 700 字 | 約 1,200 字 | 約 800 字 | 約 2,700 字 |
過去問に見る設問の出題パターン(令和 5・6 年実例)
設問の「型」が不変であることを、直近の実例で確認します。テーマは違っても、ア・イ・ウの役割分担が共通していることが分かります。
| 年度・問 | テーマ(題材) | 設問アで問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和 6 年 問 1 | 予測型開発のコストのマネジメント | 不確かさとその影響をステークホルダとどう共有したか |
| 令和 6 年 問 2 | 老朽化システムの再構築(刷新) | 再構築プロジェクトの特徴と重要な課題 |
| 令和 5 年 問 2 | プロジェクト終結時の評価(組織能力向上) | 終結評価で重視した観点 |
いずれも設問アで「特徴・重要な課題」、設問イで「工夫した活動」、設問ウで「評価・改善」を問う骨格は共通しています。変わるのは設問イが要求する “工夫の軸”(コスト/刷新/終結評価)だけ で、構造そのものは固定されているのです。
メリット
- 本番で設問を読んだ瞬間に「型」に当てはめられ、構想時間を短縮できる
- 設問ア・イ・ウの役割が頭に入っているため、章立てで迷わない
- 設問イと設問ウの対応関係を崩さず、整合した論文が書ける
- テーマが初見でも、問われ方が分かるので落ち着いて対応できる
デメリット
- 型に頼りすぎると、設問固有の条件(〇〇を含めて、など)を読み飛ばす危険
- 字数規定は問題ごとに違うため、毎回の確認は欠かせない
- 構造が分かっても、肝心の「工夫の中身(ネタ)」は別途準備が必要
設問を 5 ステップで分解する読解手順
パターンを知ったうえで、本番の設問を機械的に分解する手順をまとめます。問題用紙の余白でこの 5 ステップを実行すれば、書き出しまでが速くなります。
- 字数規定の確認 — 設問ア・イ・ウそれぞれの下限/上限をマークする(下限割れ防止)
- テーマ(軸)の特定 — 設問イが要求する工夫の軸(コスト・品質・リスク等)を一語で押さえる
- 設問アの 2 要素を抽出 — 「特徴」と「重要と考えた課題」に下線を引き、書く課題を 1〜2 点に決める
- 設問イの条件を拾う — 「具体的に」「〜を含めて」など、追加の指定条件をすべて拾う
- 設問ウの評価対象を確認 — 設問イのどの活動を評価・改善するか、対応関係を先に決める
よくある質問(FAQ)
Q1. 設問パターンを覚えれば、テーマ対策はしなくてよいですか?
A. いいえ、両方必要です。設問パターンは「問われ方の型」、テーマ対策は「書く中身(ネタ)」です。型が分かっても、設問イで語る具体的な工夫のネタがなければ書けません。本記事で構造を押さえたら、「午後 2 論文 頻出テーマ TOP 10」でテーマ別の引き出しを準備してください。
Q2. 設問アはどのくらい詳しく書くべきですか?
A. 概要は簡潔に、課題提示に文字数を残す のが鉄則です。プロジェクト概要は設問イ・ウで使う数値(人月・期間・体制・QCD 制約)を中心に 400〜500 字程度にまとめ、残りを「重要と考えた課題」に充てます。概要だけで 800 字を使い切るのは典型的な失敗パターンです。
Q3. 設問イで施策はいくつ書けばよいですか?
A. 1〜2 つを深く掘り下げる のがおすすめです。3 つ以上を浅く並べるより、特徴を踏まえた工夫を「通常時との対比+選択理由」まで掘り下げた方が、PM としての判断力が伝わり高評価につながります。
Q4. 設問ウの「改善点」で失敗を書くと減点されませんか?
A. 書き方次第です。「失敗した」ではなく「おおむね成功したが、次はここまでやればより効果的」という前向きな改善として書けば、自己評価能力のアピールになります。むしろ改善点を書かない(全部うまくいったと締める)方が、ふりかえりの甘さとして評価を下げます。
Q5. 過去問の設問はどこで確認できますか?
A. IPA 公式の過去問題ページで問題冊子・採点講評が公開されています。設問の言い回しのパターンはプロジェクトマネージャ試験ドットコムなどの解説サイトでも追え、直近 3〜5 年分の設問を並べるだけで「型」が体感できます。
まとめ|設問パターンを攻略する 5 つの結論
情報処理 PM 試験 午後 2 の設問パターン分析の要点は以下の 5 つです。
- ☐ 設問は ア=特徴・課題/イ=工夫した活動/ウ=評価・改善 の 3 部構成で不変
- ☐ 設問アは 概要を簡潔に、課題提示に文字数を残す(数値は後半の伏線)
- ☐ 設問イは 「通常時との対比」で工夫を語り、1〜2 点を深掘りする
- ☐ 設問ウは 設問イと一対一で対応 させ、前向きな改善点で締める
- ☐ 本番は 字数確認 → 軸の特定 → 設問分解 → 隠れ条件の抽出 の手順で読む
午後 2 は「設問を読んでから考える」試験ではなく、問われ方が分かっていれば型に当てはめるだけ の再現性の高い試験です。設問パターンを頭に入れ、5 ステップで分解できるようにしておけば、本番の構想時間を大幅に短縮できます。
論文の書き方の基礎は「午後 2 対策|論文の書き方と頻出テーマ」、テーマ別の引き出しは「午後 2 論文 頻出テーマ TOP 10」、前段の記述式対策は「午後 1 対策|記述式の解答テクニック」、試験全体像は「情報処理 PM 試験完全ガイド」をあわせてご活用ください。
出典・参考情報
関連記事
- 情報処理 PM 試験と PMP はどちらを先に取るべきか|業界・キャリア・コストで選ぶ優先順位
プロジェクトマネジメントの二大資格、IPA のプロジェクトマネージャ(情報処理 PM)試験と PMP®。どちらを先に取るべきかは、勤め先の業界・目指すキャリア・予算・実務経験の有無で答えが変わる。本記事では両資格を難易度・コスト・評価の 3 軸で比較し、業界別・キャリア別・年代別の優先順位、両方取る場合の順番、トータルコストまでを 2026 年最新版で整理する。
- 情報処理 PM 試験 受験当日の持ち物・流れ|集合時間から各区分のスケジュールまで完全ガイド
情報処理プロジェクトマネージャ試験は、午前Ⅰから午後Ⅱまで朝 9 時半から夕方 16 時半まで続く長丁場だ。本記事では IPA 公式の試験時間スケジュール、当日必ず持参する持ち物、机上に置けるもの・置けないもの、遅刻や途中退室などの注意事項、昼休みの過ごし方、午前Ⅰ免除者の流れまでを 2026 年最新版で網羅し、当日に実力を出しきるための準備をまとめる。
- 情報処理 PM 試験 採点基準|A 評価を取るために必要な要素
情報処理プロジェクトマネージャ試験 午後 2(論述式)は、点数ではなく A〜D の評価ランクで合否が決まり、合格できるのは A 評価だけだ。本記事では IPA 公式が定める A〜D ランクの定義、論文を評価する 8 つの視点、A と B(あと一歩)を分けるもの、内容にかかわらず評価を下げる減点・失格ポイント、A 評価合格者に共通する特徴までを 2026 年最新版で解説する。
- 情報処理 PM 試験 午前 2 必須キーワード 50 選|頻出度ランキングで一気に暗記
情報処理プロジェクトマネージャ試験 午前 2(午前Ⅱ)は、25 問中 15〜18 問がプロジェクトマネジメント分野から出題され、用語と公式を覚えているかで合否が決まる『暗記で取れる』科目です。本記事では、スケジュール・コスト・リスク・品質・スコープ・調達・アジャイルの 7 領域から、午前 2 で必ず押さえたい必須キーワード 50 選を頻出度(S / A / B)ランキング付きで一覧化。EVM・クリティカルパス・PERT・ファストトラッキングなど計算系の鉄板用語から、スクラム・ベロシティなどアジャイル新傾向まで、IPA 公式シラバスと過去問解説をクロスチェックして 2026 年最新版で整理します。